日本刀の入札鑑定
日本の武士社会で行われていた行事の一つに「入札鑑定」というものがあります。これは用意された日本刀の作者を当てる試合で江戸時代に盛んに行われていました。刀剣鑑定の名門「本阿弥」が開祖だと言われています。武士の嗜みとして行われたが、もし外せば武士の教養の無さとして恥じをかくとして真剣勝負の場でもありました。
ただ刀工だけでも2万人にものぼり、名工だとしても出来、不出来もありかなりの難問だったといわれています。
日本刀の知識には、1時代、2流派(相州伝・備前伝等)、3国(山城国・大和国等)、4系統(尻懸・手掻等)を熟知していなければ答えられない奥深いものでした。判定には能(よく)、同然、当(あたり)があり 同然もしくは当が出るまで繰り返し入札をする方式でした。
能とは「国入り能候(くにいりよくそうろう)」の略で、国は正しいが系統が違う場合で その他にも「時代違い能」(国は正しいが時代も系統も違う)等 細かく判定されます。
同然とは作者に近しい父子、兄弟、師弟の場合で、当はずばり作者を当てた場合です。
試合に近しいといっても、武士の沽券に関わる事ですので、参加するにはかなりの覚悟が必要だったと思われます。
いけばなにも「花合わせ」という行事がありました(詳しくは別記事で書きます)